2015年01月17日

国際会計基準戦争

最近会計に関する本を読んでいませんでした。そのため、ウォーミングアップとしてこちらの本を読んでみました。

今回読んだのはこちらの本になります。

この本は、どのようにして国際会計基準が出来てきたのかを、日本の歴史をなぞる形で知ることができます。

この本が書かれたのが2002年なので、もう10年以上前の話になるのですが、どれほど日本が世界の水準から離れていたのかを確認することができます。

外圧でしか変化をすることができない日本。それは黒船襲来から脈々と続くものなのかもしれません。会計や監査の分野でもその伝統は変わることがなく、バブル崩壊頃からすでに実態から離れた数値を示していた会計基準を、特定の企業を守るために日本全体を犠牲にして世界の信用を失っていくさまがリアルに描かれています。まさに現代版の鎖国です。

おかげで国際的な信用を失い、当然ながら国際的な統一ルールを作る場で主導権を握ることが出来ず、日本にとって少しでも利益になるようなことを盛り込むことができない、結局外国人が主導で作成したものを世界の信用を得るために受け入れるしかないという悪循環になっています。

この本で他にも読み取ることができるのは、上記にも書きましたが、特定の業界と政界とのつながりです。国民全員の税金がその特定の分野を守るためだけに使用され、結果としてその業界にもほんの少しの延命にしかつながらない。そんな無様な日本の実態を知ることができます。

僕は運よく北米に留学し、そこで偶然にも会計学に出会い、そのまま学習を続けることにとよって米国の公認会計士となりましたが、やはりまだまだそういう人は少数派で(だからこそ自分に希少性があって働かせていただいているのですが)、大多数の人にとってはグローバル化なんて実感がわかないことなのかもしれません。結局のところ、日本人は外圧がないと変われないのかもしれません。

書評なのにいきなりこんな話をするものアレですが、僕は大阪都構想の決定こそが日本が自ら大きく変化できることを示す最後のチャンスだと思っています。いきなりこんな話をするのもおかしいですが、この本に書いてあるどうしようもない延命を続ける日本と、どうしようもない延命を行っている大阪市を離して考えることができませんでした。

大阪都構想についてはいずれ(住民投票前までに)まとめて書きたいと思っています。ここは会計の本の書評なのでこのあたりで止めておきます。

この本からは、作者の日本の会計に対する気持ちが伝わってきます。新聞の社説を読んでいるようで文章自体が非常に読みやすく、たくさんの取材を通してきたことも感じることができ、さすが文章のプロだと思わせてくれます。

この本に関しては、2010年に書かれた完結編というものがあるようです。
読み終わった後、即座にAmazonで購入しました。早く続きが読みたいです。それほどまで、僕にとっては良い本でした。

なかなかアツい内容の文体の本だったので、ついいろいろ書いてしまいましたが、おすすめです。

ではでは


posted by 鈴木明 at 22:35 | [読書(映画)感想文] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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