2015年03月08日

財務諸表解説〜貸借対照表編2〜

財務分析のための財務諸表解説について、前回は財務諸表の中の、貸借対照表について由来や定義をみてきました。

前回の記事:貸借対照表その1

今回は、その貸借対照表の内訳についてそれぞれ解説していきたいと思います。内訳とは、資産、負債、純資産のことです。前回は寄り道が多かったので、今回はサクサク内容を説明していければと思います。

<資産>

まずは資産についての説明をしていきたいと思います。会計の教科書などを見ると、資産とは

「将来において収益をもたらす潜在的能力をもつ物財及び権利」

と似たようなことを記載されていることが多いのですが、はっきりいって難しいこと書き過ぎです。これでは初心者が見たときに意味が分かりません。僕はカナダ留学時代に「Asset」を翻訳して「資産」とでたので、さらに「資産を」を日本語で検索したときに上記の文章にぶつかりましたが、意味不明すぎてイライラしました。

実は貸借対照表において(ここ重要)、「資産」とは簡単に言ってしまうと、「企業の持ち物リスト」になります。貸借対照表の発表時点で企業が何を持っているかを示すものが「資産」という項目になります。例えば、現金、土地、建物などはもちろんのこと、「今度お金がもらえる権利」である売掛金や受取手形、もちろん工場や商品の在庫なども含まれます。細かい科目まで見るとそうでも無いようなものも含まれていますが、そんな科目は無視してしまっても大丈夫です。その中でも、1年以内に現金化できそうな持ち物は流動資産、それとは別に長期間使用して売上を生み出す持ち物は固定資産というカテゴリーに分けられています。

・流動資産
1年以内に現金化できるであろう持ち物リストになります。例えば現金、売掛金、商品、売買目的の有価証券(株や債券など)があげられます。

・固定資産
それ自体を長期間使用して売上を生み出す持ち物リストになります。例えば機械設備や工場、建物、ソフトウェアや土地などがあります。

以上が資産、つまり持ち物リストの説明になります。まとめると

貸借対照表における資産とは企業の持ち物リストのことであり、すぐに現金なりそうな流動資産と、使用して現金を生み出す固定資産がある。

となります。ここからは負債と純資産の説明になります。

<負債>

次は負債の説明から入りたいと思います。会計の教科書などをみると、負債とは

「法人が将来的に他の経済主体に対して引き渡す義務」

と似たようなことが書いてあると思います。もはや初心者を混乱させるためにいちいち難しく書いているんじゃないかと疑えるレベルとなっています。もちろん僕も留学時代の会計の講義では「Liability」を翻訳して「負債」と知り、そこからさらに「負債」を検索して上記のような文章にぶつかりさらにイライラしたのを覚えています。財務分析を簡単にできるようになるために、もちろん上記のような定義を覚える必要はありません。

実は負債と純資産の両方に共通することなのですが、簡単に言ってしまうと「どのように持ち物リストである「資産」を手に入れたかのリスト」ということになります。中でも負債は、他人からの借入れのことを指します。つまり借金ですね。難しい言葉でいうと「他人資本」とも呼ばれ、最終的に絶対に返済しなければならないものになります。借金ですから当たり前ですね。負債の中でも1年以内に返済する必要がある負債を流動負債、1年以上返済猶予がある負債を固定負債と呼びます。

・流動負債
通常1年以内に支払わなければならない借金のことです。買掛金や未払法人税等、支払手形などがあげられます。

・固定負債
通常1年以上返済まで猶予がある借金のことです。長期借入金や社債などがあげられます。

以上が負債の説明でした。負債は、「最終的に絶対に返済しなければならない借金」と覚えて入れくれれば問題ありません。次は、必ずしも返済する必要の無い(語弊がありますが)純資産の説明にはいります。

<純資産>

純資産も、定義から入っていきたいと思います。会計の教科書などを見ると、純資産とは過去には資本と呼ばれており、

「資産総額から負債総額を差し引いたもの」

となっていると思います。僕が留学時代に調べた英語は「Equity」で、当時は純資産ではなく「資本」だったような記憶があります。ちなみにこのあたりから、会計用語を日本語に訳してから理解しようとする試みはやめました。あまりにも翻訳後の日本語が意味不明だったからです。今思えば、いちいち翻訳せずに、会計用語を英語でそのまま覚えたのはもっとも懸命な判断だったと思います。

純資産も簡単に言ってしまうと、「どのように持ち物リストである資産を手に入れたか」というリストになります。先ほどの返済する必要がある負債とは違って、純資産は返済する必要がないリストとなります。厳密にいうと若干違うのですが、「自己資本」とも呼ばれます。実は内訳は結構複雑なのですが、「資本金」と「利益剰余金」の2点を覚えていればそこまで問題ではありません。

・資本金
株式を発行してお金を得るとこの科目になります。資産を手に入れる方法のひとつです。

・利益剰余金
今までに稼いだ利益が積み上がったものです。「金」とついているので、現金が積み上がっているように感じるかもしれませんが、そういうわけではありません。損失を連発していると、マイナスに積み上がることもあります。

以上で、貸借対照表の内訳の説明を終わりにしたいと思います。重要な点は、資産とは企業の持ち物リストであり、負債と純資産はその持ち物リストをどのように手に入れたのかを示すものだということです。

  • 資産:持ち物リスト
  • 負債:借金
  • 純資産:返済不要の源泉
  • とりあえずはこの3つを覚えておけば、次へのステップまで進みやすいと思います。次回からは資産の内容についてみていきたいと思います。

    次の記事:貸借対照表・資産の部・流動資産

    ではでは


    posted by 鈴木明 at 15:56 | [財務分析・企業分析] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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