2015年03月29日

難関資格を目指す人へ

ずいぶん前に、難関資格を目指している人に向けて連続ツイートしたことがあったのですが、そのことに関して少し書いてみたいと思います。

<難関資格を目指す人へ>

世の中には、難関資格と呼ばれるものがたくさん存在します。例えば、日本で言えば下記のようなものが難関資格に該当すると考えられます。

  • 弁護士
  • 公認会計士
  • 弁理士
  • 税理士
  • 中小企業診断士
  • もちろん、上記以外に他にもたくさんあると思います。このような資格に共通するのは、難関であるがゆえに合格率が低く、合格することによって周囲の目も変わることなどがあります。資格によっては、その資格保持者にのみ許可されている、独占業務が与えられていることもあります。つまり、ある種の「安定」と「収入」が見込めるのです。これらのことから、上記のような資格はいつの時代でも一定の人気があります。もちろん僕も上記の全てに対して一度は「目指そうかな」と考えたことがあります。

    そして上記のような資格を目指す人は、以下のような動機を持っていることが多いと思います。

  • 弁護士になって、困っている人を助けてあげたい
  • 公認会計士として、資本社会の秩序を守りたい
  • 弁理士として企業の知的戦略のサポートがしたい
  • 税理士として、中小企業の社長の右腕になりたい
  • 中小企業診断士として、コンサルを行い企業を元気にしたい
  • もちろん安定や高収入を得たいという考えが主な動機の人もいると思いますが、僕が今まで出会ってきた人にはやはり上記のような社会に貢献したいという素晴らしい人が多かったです。今難関資格を目指している人の中にも、このような夢を達成するために毎日必死に勉強している人がいると思います。僕も大学受験や働きながらUSCPAの勉強をしているときは、「グローバルに活躍できる人材になって、社会に貢献したい」という気持ちで必死に勉強しました。

    こういった経験や、僕が今まで所属した組織の人々、そして友人や知人などの話を通して、ずっと思っていることがあります。それは、難関資格を目指す人ほど、勉強と並行して「合格したら働くであろう分野」での業務経験を積んだ方が良いということです。

    業務経験を積むということは、普通に就職して働くという手段もありますが、例えば税理士を目指すなら税理士事務所にインターンという形で関わる、またはアルバイトや契約社員で働くといった手段も考えられます。資格を取得したら働く可能性が高い(または目指している)場所の実際の業務に、少しでも近い経験を行うことによって、以下のメリットを享受することができます。

    <自分に合っているか確認することができる>

    まず、自分が目指している場所での業務が、実際に自分が思った通りの環境なのかを確認することができます。例えば弁護士事務所で困った人を助けてあげたいと思っていたのに、実際は自分が助けたくないような人を、お金をもらって助けなければならないかもしれません。もしかしたらその経験が、自分にとっては耐え難いことなのかもしれません。実際に働かなければ、自分が求めているものがそこにあるのかを知ることもできないし、実際の業務が自分に合っているのかも感じることはできません。この「差」を埋めるために、とりあえず勉強しながらどのようなものかを確認してみるのが大事だと思います。

    <その世界の人の生の声を聞くことができる>

    次に、その世界で働いている人の生の声を聞くことができるというメリットがあります。例えば税理士になりたい人が税理士事務所で働けば、そこには自分が目指している税理士がすでに存在しているのです。その人に、どのように勉強したのか、実務での注意点、今は何を勉強しているのかなど、とにかく様々な情報を得ることができます。場合によってはその時の人脈が合格後に何らかの形で活きるかもしれません。試験勉強は情報戦なところもあるので、既に合格している人が存在している職場で、そのような人たちと一緒に働き生の声を聞くことができるというのは、非常に有利だと思います。

    <実務と知識をリンクすることができる>

    さらに、勉強して得る知識と、実際の業務がどのように繋がっているのかを知ることができます。逆に、勉強したことが実際はあまり業務に関係がないということを知ることができるかもしれません。僕の場合は、財務部で働きながらUSCPAの勉強をしていましたが、仕訳や連結作業などの時には知識と実務の繋がりを感じて非常に楽しかったですし、内部統制や税務の業務も実際の世界ではどのように運用されているかを知れて非常に良かったと思っています。僕の友人に税理士を目指している人がいるのですが、その人も税理士事務所で働いており、知識を実務で使用することによって、より深く理解することができたと言っていました。僕もこの意見に同意です。

    <イメージが数段階、具体的になる>

    上記のような目標は見ると分かると思うのですが、結構抽象的なものになっています。将来の目標に向かう動機づけとして、そのままではモチベーションを維持するのが困難となることがあります。特に、まだ社会で働いたことがない人にとっては、実際に働くとはどのようなものなのかを知らずに、モチベーションを保って勉強を続けるのはなかなか困難だと思います。しかし、実際に資格を取得してから働く予定である場所で働いてみると、どのような業務があり、どのような問題を解決しているのかをリアルに知ることができます。これにより、漠然としたイメージから、「○○の時に○○の問題で困っていた人を、○○を通してサポートできる」など、より具体的なイメージにすることができます。つまり、勉強内容がリアルな世界と具体的に結びつくことによって、勉強に対してより大きなモチベーションを持つことができるのです。

    <選択肢を得ることにつながる>

    実際の実務に携わることによって感じることは、良いことばかりではないのかもしれません。自分に目指している業界は合っていると感じないかもしれませんし、働いている人は愚痴ばかりで希望が持てないかもしれません。実は勉強している知識のほとんどを実務では使用しないかもしれませんし、実務を経験することによって逆に勉強へのモチベーションが下がってしまうことも十分ありえます。僕は、このような作用も逆にメリットだと考えています。なぜなら、それを知ることによって、他の選択肢も考慮することができるからです。勉強にのみ専念している人は、自分が実際に働いてみるとどのように感じるかを知ることができません。経験しないと自分がどのように感じるかはわからないのです。仮に1年を通して勉強と実務経験を同時に積んだ結果、自分には合っていなかったと感じた場合は、別の選択肢を考えてみればよいのです。

    「1年も勉強してきたのに勿体ない」と感じるかもしれませんが、残りの人生をずっと自分に合わない道に縛り付ける方がよほど勿体ないと僕は思います。もし実務経験を通すことによってそれが1年で発見できたとすれば、ものすごく幸運なことであり、合わないのであれば別の道にまたチャレンジできるのです。

    逆に、勉強に専念することによって合格した場合はどうでしょうか。上記の例とは違い、1年を勉強に専念することに費やし、高倍率を潜り抜けて合格することができました。これで難関資格の合格者ということになりました。実務経験を積むために、その業界に足を踏み入れます。そして1年間働いた後で、自分には合わないのではないかと感じたとします。

    この時点で勉強開始から2年がたっています。さらに、難関な資格を突破したということで、「今やめるともったいない」という気持ちが大きくなってしまいます。そのため、合わないと感じていながらもその業務を続けることになり、年月が経つことによってさらに別の選択肢を取りにくくなっていくというスパイラルに陥ります。

    僕は、難関資格であればあるほどこれが当てはまりやすいと思います。難関資格であるがゆえに目指す人が抱くイメージは高くなりやすいと思いますし、実際の業務との落差が大きくなりやすいと思います。さらに、実際にその資格を突破した後に、そのステータスをあっさりと捨てることはそれこそ困難です。例えば、仮に実際に弁護士になった後に自分に合わなかったと気が付いて、周囲の人に「弁護士やめて○○になる」というと、どれほど「せっかく弁護士になれたのにもったいない!」と反対されるかは想像できると思います。

    こうなる前に、実際に働く経験を通して、自分に合っているか合っていないかを判断できればそのリスクを軽減することができます。もちろん全てが合うということはほとんどないですし、全てが合わないということもありえないと思います。要は自分が実際の業務に耐えられるのか、それを知るために勉強しながらその業界で働くのが一番効率的だと思うのです。

    もし勉強と仕事を両立した後に、その業界でやっていけると感じれば、一旦仕事は辞めて勉強に専念すればよいと思います。その際には実務のリアルな経験が勉強に活きてくると思いますし、合格後にはそこに人脈があるので戻れるかもしれませんし、そこで働いている人が別の職場を紹介してくれるかもしれません。すでに実務経験を少しとはいえ積んでいるので、採用側からみて非常に助かる人材となる可能性は高いですし、一旦実務を経験してから考える志望理由は他社との差別化が図りやすいと思います。

    もちろん、「少し働いた程度でその業界のことはほとんどわからない」、「勉強時間が確保できない」などの様々な反論はあると思いますが、僕は人生が一度だと考えると、上記にあるようなメリットが大きいと考えます。全くその分野を知らない状態から難関資格の勉強に専念している、しようとしている人がいれば、少し実務に携わることを考慮してみてはいかがでしょうか。

    ではでは


    posted by 鈴木明 at 14:04 | [徒然日記] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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