2014年09月12日

USCPA講義:固定資産5

資産その6:Fixed Asset(固定資産)5

今回は資産科目であるFixed Asset(固定資産)について書いていきたいと思います。

Asset = Liability + EquityのAssetの項目になります。

前回はFixed Asset(固定資産)のDepreciation(減価償却)に関して、いくつかの方法を書いてきました。今回は、Depreciation(減価償却)の後半になります。Depreciationは、Fixed Assetの中でも特に重要なトピックになります。

前回の記事:固定資産その4

■前回までのDepreciation(減価償却)

これまでは、Straight-line methodとDouble-Declining-Balance Methodの2つの減価償却の方法を見てきました。今回見ていくのは、Sum-of-the-years’ Digits Method(級数法)と呼ばれる方法と、Units-of-production Method(生産高比例法)と呼ばれる方法になります。

■Sum-of-the-years’ Digits Method(級数法)

この減価償却方法は、Double-Declining-Balance Methodに似て、初期に大きく減価償却を行い、徐々に償却額を減少させていく方法になります。償却金額を求めるために級数と呼ばれるものを使用します。実際に計算してみると理解が早いと思います。

計算式

(取得価額 – 残存価額) × (残存年数 / 級数)

となります。ここで問題になるのが、「級数」です。

■級数とは

級数とは、数字で考えるとわかりやすいと思います。例えば以下でいくつかの数字の級数を見ていきます。

5の級数:5+4+3+2+1 = 15
4の級数:4+3+2+1 = 10
3の級数:3+2+1 = 6

となります。その数字から全ての下の数字を足した合計のことです。この級数を求めるために、いちいち全ての数字を足していくのは時間がかかってしまうので、以下の公式に当てはめて級数をサクッと出してしまうのが良いと思います。

級数の出し方

耐用年数×(耐用年数+1) / 2

例えば耐用年数が5年であれば、5×6で30、割る2で15となり上記の合計と一致しています。これはどの数字にも当てはまるので、一瞬で級数を求めることができるので暗記しておくと楽です。

ではSum-of-the-years’ Digits Methodについて具体的に当てはめていきます。$100,000の機械(残存価格は$1,000、耐用年数6年)を2001年1月1日に購入したとして、2001年12月31日の減価償却費を求めなさいと書いてあれば

まず級数を求めます。

6×7 / 2 = 21

次に級数を使用して公式に当てはめます。今年はまだ残存年数が6年なので

(100,000 – 1,000) × (6/21) ≒ 28,286

となります。今回は割り切れない金額になりましたが、問題集などでは普通に割り切れる数字を出してくることも多いです。ただ、本番では何があるかわからないので注意してください。また、今までの減価償却方法と同様に注意点としては、これがもし取得が4月1日など、中途半端なタイミングであればさらに月単位で案分する必要があるということです(ちなみに、試験では中途半端な取得タイミングでの出題が多いです)。

ここまで書いていてなんですが、もう少しわかりやすい金額でやってみます(笑)。$40,000の機械(残存価格は$4,000、耐用年数5年)を期首に購入したとして、各期の減価償却費を求めなさいと書いてあれば以下のようになります。

1年目
(40,000 – 4,000) × 5/15 = 12,000

2年目
(40,000 – 4,000) × 4/15 = 9,600

3年目
(40,000 – 4,000) × 3/15 = 7,200

4年目
(40,000 – 4,000) × 2/15 = 4,800

5年目
(40,000 – 4,000) × 1/15 = 2,400

これらの減価償却費を合計すると、36,000となり、40,000から36,000を引くとちょうど残存価額の4,000になります。

■Units-of-production Method(生産高比例法)

こちらは、これまでの時間を基軸に減価償却費を求めていた方法と違い、Fixed Assets(固定資産)の稼働時間などを使用して減価償却費を決定する方法になります。

計算式

(取得原価 – 残存価額) × 当期の運転時間 / 総稼働時間

となります。USCPAの試験では稼働時間などは問題文で与えられることが多いです。

具体的に当てはめていきます。$100,000の機械(残存価格は$10,000、耐用年数10年、総稼働時間は10,000時間)を2001年1月1日に購入したとして、今期に2,000時間使用しました。今期の減価償却費を求めなさいと書いてあれば

(100,000 – 10,000) × 2,000 / 10,000 = 18,000

となります。注意点として、耐用年数などが書かれていても無視することです。重要なのはその固定資産がどれくらい使用可能と見積もられているのかと、当期にいくら使用したのかということです。また、残存価額を考慮するのも忘れないようにしましょう。

また、別の注意点として、Units-of-production Methodは月単位で案分する必要がないということです。例えば上記の例で、機械の購入が6月だったとしても、2,000時間を当期に使用したとあれば2,000時間分減価償却が必要です。そこからさらに月で案分する必要はありません。あくまで稼働時間で償却額を決める方法になります。

これでFixed Asset(固定資産)に関するDepreciation(減価償却)について終わりたいと思います。次回は、Intangible Asset(無形資産)についてみていきたいと思います。

次の記事:無形資産その1

ではでは

posted by 鈴木明 at 16:19 | [USCPA講義] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月11日

USCPA講義:固定資産4

資産その6:Fixed Asset(固定資産)4

今回は資産科目であるFixed Asset(固定資産)について書いていきたいと思います。

Asset = Liability + EquityのAssetの項目になります。

前回はFixed Asset(固定資産)の取得に関する資本的支出と収益的支出について書いてきました。今回は、Depreciation(減価償却)について書いていきたいと思います。Depreciationは、Fixed Assetの中でも特に重要なトピックになります。

■Depreciation(減価償却)とは

まず、Depreciation(減価償却)とは何かについて書いていきます。固定資産を購入した際、その固定資産に関する費用については、該当する固定資産の使用可能な年月(大体決められている)を推測して、その推測された年月に費用を分配していく必要があります。その分配の金額を決める方法を減価償却といいます。

例えば、1000万円の期首に購入した場合、その期に1000万円の費用を計上するわけではなく、その次の期や更にその次の期にも更にその次の・・・という具合に、長期間にわたり1000万を費用として計上します。

■なぜDepreciation(減価償却)を行うのか

ではなぜ、Depreciation(減価償却)という処理が必要になるのでしょうか。これには、会計の考え方である、マッチングの原則が関わっています。固定資産は、長期にわたって収益を生み出すものと考えられています。

例えば工場を建てた場合、建設後、最初の1年が過ぎた後もまだ稼働して製品を生み出し続けます。つまり、期を跨いで収益を生むのです。それにも関わらず、もし工場を建てた最初の期に全てを費用計上してしまうと、最初の期のみ費用が莫大になり、次の期からは費用がゼロで収益のみが計上されるという事態になってしまいます。

つまり、財務諸表にズレが発生するのです。これを避けるために、Depreciation(減価償却)という方法をとり、固定資産がうむ収益と費用を対応させるということなのです。

■Depreciation(減価償却) methodの種類

Depreciation(減価償却)の方法には、様々なものがあります。有名なところといえば

  • Straight-Line Method
  • Double-Declining-Balance Method
  • Sum-of-the-years’ Digits Method
  • Units-of-production Method

となります。では、それぞれについて説明していきます。

■Straight-line method(定額法)

Straight-line method(定額法)は、最も簡単であり、最もポピュラーなDepreciation(減価償却)の方法となります。固定資産の取得価額から残存価額を差し引きいた額を耐用年数で割って毎年の減価償却額を割り出す方法です。

計算式

(取得価額−残存価額) / 耐用年数

となります。1年間の償却金額は一定になります。そのため、定額法と呼ばれています。

具体的に当てはめていきます。$100,000の機械(残存価格は$1,000、耐用年数10年)を2001年1月1日に購入したとして、2001年12月31日の減価償却費を求めなさいと書いてあれば

100,000 – 1,000 / 10 = 9,900

となります。注意点は、これがもし取得が4月1日など、中途半端なタイミングであればさらに月単位で案分する必要があるということです(ちなみに、試験では中途半端な取得タイミングでの出題が多いです)。

■Double-Declining-Balance Method(定率法)

こちらは、取得した期から大きく減価償却を行い、徐々に償却額を減少させていく方法になります。固定資産の大半が最初に大きな収益を生み、徐々に収益性が低下していくので、そのような性質に合わせた原価償却の計上方法になっています。

計算式

簿価(取得価額 - 減価償却累計額) × 償却率

となります。USCPAの試験では償却率は

2 / 耐用年数

であらわされることが多いです。定額法と比べて耐用年数に対して倍の率で償却していくので、Double-Declining-Balance Methodと呼ばれます。日本の簿記だと、償却率が与えられることもありますが、USCPAでは基本的に上記の式で償却率を求めることが多いです。

注意点は、減価償却費を求める計算式の中に、残存価額が入っていないことです。問題文では、たとえDouble-Declining-Balance Methodで求めなさいと指示があっても、普通に残存価額は$○○です、という情報を入れて攪乱してきます。

具体的に当てはめていきます。$100,000の機械(残存価格は$1,000、耐用年数10年)を2001年1月1日に購入したとして、2001年12月31日の減価償却費を求めなさいと書いてあれば

1年目
100,000 × 2 / 10 = 20,000

となります。残存価額が考慮されていない点に注意です。さらに、2年目も計算してみます。

2年目
(100,000 – 20,000) × 2 / 10 = 16,000

となります。計算方法として簿価を使用するため、前年の減価償却を考慮しる点に注意が必要です。もちろんStraight-line methodと同様に、これがもし取得が4月1日など、中途半端なタイミングであればさらに月単位で案分する必要があります。

少し長くなったので、ここら辺でFixed Asset(固定資産)に関するDepreciation(減価償却)について一旦切りたいと思います。次回は、今回紹介できなかった減価償却方法についてみていきたいと思います。

次の記事:固定資産その5

ではでは

posted by 鈴木明 at 13:10 | [USCPA講義] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月10日

USCPA講義:固定資産3

資産その6:Fixed Asset(固定資産)3

今回は資産科目であるFixed Asset(固定資産)について書いていきたいと思います。

Asset = Liability + EquityのAssetの項目になります。

前回はFixed Asset(固定資産)の取得に関するCapitalization of interest(利息の資産計上)について見てきました。

前回の記事:固定資産その2

今回は、Fixed Asset(固定資産)に対しての資本的支出、収益的支出について見ていきたいと思います。

■Fixed Asset(固定資産)に対する支出について

Fixed Asset(固定資産)は、購入した後にも長期間にわたって使用していくことため、時間の経過と共にメンテナンスを行なったり、修繕を行なったり、改良を行なったりすることがあります。

これは個人で考えると車を例にとるとわかりやすいと思います。車を購入したあとは、ずっと何も無く乗り続けられる訳ではなく(最近の車は丈夫らしいですが)、何年かごとにオイルの交換を行なったり、何キロか走った後にタイヤの交換を行なったりする必要があります。

この際に支払うコストは、その支払ったコストの性質に応じて、2種類の会計処理、というか仕訳を行なう必要があります。それが、Capital expenditure(資本的支出)と、Revenue expenditure(収益的支出)です。何かややこしい気もしますが、結構簡単です。では以下でそれぞれを見ていきたいと思います。

■Capital expenditure(資本的支出)について

Fixed Asset(固定資産)に対して、Fixed Asset(固定資産)に備わっている機能がレベルアップしさらなる生産性を得たり、Fixed Asset(固定資産)の使用可能な年数、つまり耐用年数が伸びたりすれば、こちらの支出、Capital expenditureとなります。

先ほどの車の例で言えば(少し無理があると思いますが笑)、エンジンを新しいものに変更したことにより、最高速度が180キロから200キロになったとか、フレームを耐性が抜群のものに変更したことにより、使用出来る年数が10年から15年になったとか、そういった支出はCapital expenditureとなります。Capital expenditureとなる支出は、その金額分を費用とするのではなく資産に計上する必要があります。

Equipment(備品)を改良して能力をあげて、その料金を現金で支払った場合の仕訳の例としては、下記のようになります。

Dr Equipment
Cr Cash

DrがExpense勘定ではなく、Equipmentと資産に計上するようになっています。これが Capital expenditureです。

*Drに資産科目ではなく、Accumulated depreciationを計上して資産を増やす(マイナスを減少させる)方法もありますが、まだ減価償却については説明していないのでここではとりあげません。

■Revenue expenditure(収益的支出)について

Fixed Asset(固定資産)に対して、Fixed Asset(固定資産)の現状を維持するために必要な費用として支払うコストのことをRevenue expenditure(収益的支出)といいます。つまり、特に資産の価値をあげないような支出のことを指します。

例えば、車のエンジンに軽くオイルを挿すなどでは特に車自体が激変ありませんので、Revenue Expenditure(収益的支出)になります。仕訳の例としては、以下のようになります。

Dr. Expense
Cr. Cash

こちらは直接費用計上となります。資本的支出と違い、一旦固定試練に計上は行いませんので注意が必要です。

■コストの資産計上・費用計上まとめ

上記をまとめると

資産の耐用年数を延長したり、能力を改善したりするための支出
→資本的支出

資産の現状を維持するために行う支出
→収益的支出

となります。実際の問題では、資本的支出と収益的支出を分別させる問題がありますが、問題文に思いっきり「これにより耐用年数が○○年のびる」であったり、金額が全然違ったりするので、非常にわかりやすいです。

以上でFixed Asset(固定資産)に関する資本的支出、収益的支出について見てきました。次回から、固定資産のもっとも重要である減価償却について書いていきたいと思います。

次の記事:固定資産その4

ではでは

posted by 鈴木明 at 12:03 | [USCPA講義] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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