2014年09月09日

USCPA講義:固定資産2

資産その6:Fixed Asset(固定資産)2

今回は資産科目であるFixed Asset(固定資産)について書いていきたいと思います。

Asset = Liability + EquityのAssetの項目になります。

前回はFixed Asset(固定資産)の概念と、どこまでを取得原価に含めるのかというところまで見てきました。今回は、Fixed Asset(固定資産)に関する利息について見ていきたいと思います。

前回の記事:固定資産その1

■Capitalization of interest(資産とする利息)について

Fixed Asset(固定資産)は、具体的な科目を見れば分かると思いますが、基本的に非常に高額になるものが多く、企業がそれを取得する際には(資金が潤沢でない限り)借り入れや株式の発行により資金を得て、そしてそのお金を使用して取得するという流れになります。

たまにニュースなどで報道されている、「○○社が銀行より融資を受けて、○億円の設備投資を行ないました。」というのはこの流れになります。この際に、銀行も商売ですので、○○社より利子を受け取ることになります。逆に○○社にとっては元本となるお金ですが、その借りている金額が非常に大きいので、利子も大きい金額になることが多いのです。

通常、このような支払利息は営業外費用としてその期に費用に計上する必要があります。ところが、Fixed Asset(固定資産)の取得に関して借り入れた金額にかかる利息については、ある条件を満たしている場合に、ある一定額まではCapitalization of interest(利息の資産計上)を行なうことができます。当期に全て費用にしなくてもよいのです。

Capitalization of interestの対象となるFixed Asset(固定資産)は以下になります。

・自社で使用する目的で作られたり、建てられたりする資産
例えば自社ビルの建設などがこれにあたります。建設期間中に支払った利息は、ある一定の金額で資産計上することができます。

・販売目的で作られる資産で、そのプロジェクトとして明確に区別をすることができるもの
こちらはUSCPAの試験で、船を製造する問題が出題されていました。船を製造するために借り入れた金額の利子を資産計上することができます。

■Capitalization of interest(利息の資産計上)の金額

では、利息を資産計上するにあたって、上記の条件に当てはまればどんどん資産計上しても良いのでしょうか。実はこの利息の資産計上にも上限が決まっています。その上限の範囲内で資産計上することができるのです。ではその上限とはどのように決まるのでしょうか。それが、Avoidable interestという考え方です。

Avoidable interestとは、該当するFixed Assetの製造や建設がもし無ければ、それに対する借り入れを行なう必要が無く、従って避けることが出来たであろう利息の金額のことになります。なので、英語では一文字でAvoidable(避けることが出来る)となっています。

■Avoidable interestの求め方

Weighted average accumulated expenditure(平均累積支出金額)に、Interest rate(利率)、そしてConstruction period(製造、または建設期間)をかけます。その結果、Avoidable interestを算出することができます。そして、こちらの金額が上限となることを覚えてください。

Avoidable interestを求めることが出来れば、次はActual interest、実際の利子を算出します。Actual interestの算出方法は、借り入れた元本に、借り入れた際の利率、そして借り入れた期間をかけます。実際に利子を計算する際の計算式と全く同じです。

最後に、Avoidable interestとActual interestを比較します。比較して、少ない金額が資産計上される金額となります。

・Avoidable interest > Actual interestの場合
Actual interestが資産計上額となります。実際の利息がAvoidable interest(上限)より低いからです。

・Avoidable interest < Actual interestの場合
Avoidable interestが資産計上額となります。実際の利息がAvoidable interestを超えているため、上限であるAvoidable interestの金額が優先されます。

このことから、Avoidable interestが上限と言われるのです。

■注意点

この利息の資産計上について注意点は、これは該当する資産を製造、または建設している期間にのみ適応することができるということです。もしすでに完成しているのにまだ利息を払っていて、そちらの分を資産計上しようとしても間違いとなります。

以上でFixed Asset(固定資産)に関する利息について、を終わります。次回はFixed Asset(固定資産)に対しての資本的支出、収益的支出について見ていきたいと思います。

次の記事:固定資産その3

ではでは

posted by 鈴木明 at 11:45 | [USCPA講義] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月08日

USCPA講義:固定資産1

資産その6:Fixed Asset(固定資産)1

前回は棚卸資産についてみてきました。今回は資産科目であるFixed Asset(固定資産)について書いていきたいと思います。

前の記事:棚卸資産その7

Asset = Liability + EquityのAssetの項目になります。

■Fixed Asset(固定資産)とは

Fixed Asset(固定資産)とは、企業が活動を通して新たに収益をあげることを目的として長期にわたって所有し続ける資産のことです。色んなものを総称してProperty, Plant & Equipmentや、Non-current Assetなどと呼ぶこともありますが、僕は英語の見た目が分かりやすいFixed Asset(固定資産)と読んでいます。

具体的な資産の名称をあげていくと、Machine(機械)、Building(建物)、Land(土地)などがあります。

■Fixed Asset(固定資産)とInventory(棚卸資産)の違い

実は同じものでも、会社によってFixed Assetに計上したりInventoryに計上したり、違いがあります。どういうことかと言うと、運搬業を営む会社Aがトラックを購入したとすると、Fixed Asset(固定資産)の車両として計上します。

ところが、トラックを製造して販売している会社Bにとっては、その販売目的のトラックはInventory(棚卸資産)となるのです。しかし例え会社Bであっても、何かを運ぶ目的(販売目的では無く)でトラックを保有し、使用し続ければそのトラックに関してはFixed Asset(固定資産)となります。

■Fixed Asset(固定資産)の種類

Fixed Asset(固定資産)には種類があります。それは減価償却資産と非減価償却資産です。

・減価償却資産
減価償却資産とは、その名の通り減価償却を行なう必要がある資産のことです。減価償却については後ほど説明します。具体例としてはBuildingやMachine、Equipmentなどがあげられます。イメージとしては、使用すればする程、また時が経てば経つ程ボロボロになっていくものです。

・非減価償却資産
非減価償却資産とは、その名の通り減価償却を行なう必要がない資産のことになります。代表的な科目としてはやはり土地が有名です。土地はFixed Asset(固定資産)ですが、減価償却を行なう必要がありません。時間が経っても使用しても価値が減ることはないからです。

■Acquisition cost(取得原価)について

Fixed Asset(固定資産)について、どこまでをFixed Asset(固定資産)の金額に含めるかという問題が出題されることがあります。例えばMachine(機械)を購入したとして、機械そのものの金額を含めるのはもちろんですが、では手数料や使用するまでにかかったテスト費用、また保険代などはどうなるのでしょうか。

実は、Fixed Asset(固定資産)として計上する際には上記のような付随費用も全て含めた金額となります。例えば以下の問題を見てみます。

A社は機械を買いました。機械は130,000ドルでした。その他にかかった費用は郵送代:2,000ドル、備え付けにかかる費用:3,000ドル、テストにかかる費用:4,000ドルでした。A社のBalance Sheetでは、機械のCostはいくらで計上されるでしょう。

上記の答えは130,000ドルではなく、139,000ドルになります。Fixed Asset(固定資産)の計上金額を問う問題が着た際には、そのFixed Asset(固定資産)を使用するまでにかかった金額を全て含むと考えていれば楽かもしれません。

以上でFixed Asset(固定資産)の概要と種類、取得原価についてを終わります。次回はFixed Asset(固定資産)に関する利息はどうなるのかを見ていきたいと思います。

次の記事:固定資産その2

ではでは

posted by 鈴木明 at 10:49 | [USCPA講義] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月19日

USCPA講義:棚卸資産7

資産その5:Inventory(棚卸資産)7

今回は資産科目であるInventory(棚卸資産)について書いていきたいと思います。

Asset = Liability + EquityのAssetの項目になります。

前回はRetail method(売価還元法)の実際の計算方法の中でも、Retail value(売価)でのEnding inventoryの計算まで見てきました。今回は、原価率の計算とCostでのEnding inventoryの算出までみていきたいと思います。

■事前情報

前回の計算での情報は以下のものでした。

・Cost情報
Beginning Inventory 36,000
Purchase 180,000

・Retail情報
Beginning Inventory 90,000
Purchase 330,000
Markup 30,000
Markdown 60,000
Sales 270,000

・Retail valueでのEnding inventoryの求め方
Beginning Inventory + (Purchase + Markup - Markdown) – Sales

これにより、Ending inventoryは120,000となりました。ここまでが前回で求めた金額です。ここから、原価率を求めていきます。この求め方には4種類の方法がありました。

<原価率を求める>

・Average Cost(平均法による原価法)

こちらは、値下額を含め、更にBeginning inventory(期首棚卸資産)も考慮する方法となっています。全て含める計算方法ですね。原価率の計算は、上記の数字を使うと以下のようになります。

(36,000+180,000) / (90,000+330,000+30,000-60,000)

= 55%

原価率は約55%となります。使用している数字がEnding inventoryの算出と、原価率の算出で違うことに注意してください。これにより、Ending inventoryを求めることができます。

Ending inventory(Retail value)×Cost / Retail ratio = Ending invenetory(Cost)

これに当てはめると

120,000 × 55% = 66,000ドル

となります。

・FIFO Cost(先入先出法による原価法)

こちらは値下額を含めますが、FIFOですのでBeginning inventory(期首棚卸資産)は考慮しない方法となっています。こちらの方法で原価率を計算していきます。

180,000 / (330,000+30,000-60,000) = 60%

となり、原価率は60%となります。Average Costの方法と比べると、計算にBeginning inventoryを含めていないことがわかると思います。これがFIFOの特長です。この原価率を使用すると、Ending inventoryは以下のようになります。

120,000×60% = 72,000

72,000ドルとなりました。

・Average LCM(平均法による低価法)

こちらは値下額を含めず、Beginning inventory(期首棚卸資産)を考慮する方法となっています。Conventional Retail Methodとも呼ばれる方法です。早速原価率を計算していきます。

(36,000+180,000) / (90,000+330,000+30,000)= 48%

原価率は48%となりました。こちらは値下額を考慮しないので、マイナスする部分が無くなっています。これがLCMの特長です。しかし、FIFOではないので、Beginning inventoryは計算式に考慮されています。こちらの原価率を使用して、Ending inventoryを計算します。

120,000×48% = 57,600

57,600ドルとなりました。

・FIFO LCM(先入先出法による低価法)

こちらは値下額を含めず、更にBeginning inventory(期首棚卸資産)も考慮しない方法となっています。一番あっさりした計算式になる方法となります。ではこちらの方法で原価率を計算していきます。

180,000 / (330,000+30,000)= 50%

原価率は50%となりました。計算式をみれば分かると思いますが、今回の方法には値下額もBeginning inventoryも含まれておりません。FIFOの特長とLCMの特長の両方を持っているためです。ただ、USCPA試験ではそこまで遭遇する計算式ではないような気がします。こちらの原価率でEnding inventoryを計算すると、以下のようになります。

120,000×50% = 60,000

60,000ドルになりました。

これら4つの計算式をみれば分かるように、それぞれ違う金額のEnding Inventoryが算出されます。ただ、計算に使用するRetail valueのEnding inventoryの金額まではどの計算方法になろうと同じということは覚えておいてください。Ending inventory(Retail)とCost/Retail ratio(原価率)の計算は別物であるという認識が理解を早めると思います。

以上でRetail methodのEnding inventoryの算定方法を終わります。これにてAssetの内のInventory(棚卸資産)を終わりとします。

次はAsset(資産)その6である、Property, Plant & Equipment(固定資産)に入っていきたいと思います。いよいよAssetの中でもCurrent Assetという流動資産が終わり、Non-current Asset(もしくはFixed Asset)という固定資産の領域に入ります。

次の記事:固定資産その1

ではでは

posted by 鈴木明 at 15:10 | [USCPA講義] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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