2014年05月16日

USCPA講義:棚卸資産6

資産その5:Inventory(棚卸資産)6

今回は資産科目であるInventory(棚卸資産)について書いていきたいと思います。

Asset = Liability + EquityのAssetの項目になります。

前回はInventoryのRetail method(売価還元法)の概要と種類についてみてきました。今回は、Retail method(売価還元法)の実際の計算方法についてみていきたいと思います。

■Retail method(売価還元法)の復習

前回の復習となりますが、Retail methodは、InventoryをRetail value(売価)で評価し、その金額をCost / Retail valueで求められる原価率と呼ばれるものをかけてInventoryの原価、つまり期末在庫の金額とするものです。そのために必要な計算材料は

@Cost / Retail Ratio(原価率)
ARetail value(売価)でのInventoryの期末在庫金額

の2点でした。では実際に数字を当てはめて具体的にみていきます。

■原価率:Cost / Retail Ratioの計算方法

USCPAの試験では、大体下記のような条件を与えられることが多いです。下記の条件の数字から必要な情報のみを選んで計算し、期末のCostでのInventoryの金額を推定します。

・Cost情報
Beginning Inventory 36,000
Purchase 180,000

・Retail情報
Beginning Inventory 90,000
Purchase 330,000
Markup 30,000
Markdown 60,000
Sales 270,000

試験ではこのような情報を与えられて、「この会社はInventoryの評価方法として【Average LCM】を採用しています。この会社の期末のInventoryはいくらでしょう。」といった問題を出してくるのです。この問題文の【Average LCM】の箇所が、前回の4つの方法どれで出題されるか分からないので、全ての計算方法を覚えておく必要があります。

では、実際にそれぞれの計算方法で計算していきたいと思います。Retail method(売価還元法)の計算を行なう手順としては、まずRetail value(売価)でのEnding inventory(期末棚卸資産)を計算して、次に原価率を出題されている方法でCost / Retailで計算します。その原価率とRetail valueのEnding inventoryをかけて、CostでのEnding inventoryを算出します。

@Retail value(売価)でのEnding inventory(期末棚卸資産)を計算
まずはRetail情報のみを使用して、Ending Inventoryを計算します。この作業は4つの原価率を求める前に必ず行ないます。つまり、どの原価率の方法を使うにしても、この作業をやらなければならないのです。注意点として、この段階では、値下額やBeginning Inventoryを含めるか否かということを考慮する必要がありません。では計算してみます。

Beginning Inventory + (Purchase + Markup - Markdown) – Sales

こちらでRetailのEnding Inventoryが計算できます。これに上記の金額を当てはめると

90,000 + (330,000 + 30,000 - 60,000) - 270,000

= 120,000

となります。この計算により、Retail Value(売価)でのEnding Inventoryが計算できました。あとはこの金額に原価率をかければ、CostのEnding Inventoryを導くことができます。

今回は少し長くなりそうなので、ここで一旦終了します。次回に原価率を計算して、CostのEnding Inventoryを計算する流れを見ていきます。

次の記事:棚卸資産その7

ではでは

posted by 鈴木明 at 07:14 | [USCPA講義] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月15日

USCPA講義:棚卸資産5

資産その5:Inventory(棚卸資産)5

今回は資産科目であるInventory(棚卸資産)について書いていきたいと思います。

Asset = Liability + EquityのAssetの項目になります。

前回はInventoryのLCM(Lower of cost or market)についてみてきました。今回は、Inventoryに関するvaluation methodのひとつである、Retail method(売価還元法)についてみていきたいと思います。

■Retail method(売価還元法)とは

Retail method(売価還元法)とは、Inventory(棚卸資産)の評価方法のひとつで、Inventory estimation methodと呼ばれる、期末在庫、そして売上原価を推測する方法のことです。

例えば大量の種類の商品を抱えて、売値も常に記録されているようなデパートなどでは使用されることもあるようです。この方法は、InventoryをRetail value(売価)で評価し、その金額をCost / Retail valueで求められる「原価率」をかけてInventoryの原価、つまり期末在庫の金額とするものです。

この文章から、Retail methodでは何が必要なのか分かります。それは

@Cost / Retail Ratio(原価率)
ARetail value(売価)でのInventoryの期末在庫金額

です。この2点が分かれば、こちらの方法で原価の期末在庫、売上原価を求めることが出来ます。

■原価率:Cost / Retail Ratioの求め方

求め方というか、この題名に既に求め方が含まれております。原価(Cost)を売価(Retail value)で割ることによって原価率を求めることができます。この文章だけを見ると、既にCostが判明しているのだから問題ないじゃないかと思う人もいるかも知れません。ですが実は問題文に与えられるCostの金額が不十分なことが多く、その為にこれから説明する計算(と暗記)が必要になってくるのです。

■原価率:Cost / Retail Ratioの計算種類

実は、原価率を計算する際に使用する金額には4つの種類があります。厳密にいうと、2つの種類に分けられて、その2つの種類にまた2つの種類があるのです。以下、説明していきます。

まずはCost method(原価法)かLCM(低価法)に分けられます。こちらが関係してくるのはRetail value(売価)のInventoryの値下額を含めるか含めないかということです。違いは以下のようになります。

Cost method(原価法):値下額を含めます。
LCM (低価法):値下額を含めません。

上記の通り、LCMで原価率を求める際にはRetail value(売価)での値下額を考慮しないことになっています。そして、これらCost method(原価法)とLCM(低価法)が、それぞれ2つに分ける必要があります。それがAverage method(平均法)かFIFO(先入先出法)ということです。ややこしいですね。以下がその違いになっています。

Average method(平均法):Beginning inventory(期首棚卸資産)を含める
FIFO(先入先出法):Beginning inventory(期首棚卸資産)を含めない

となっております。Averageの場合は期首のinventoryを考慮して、FIFOの場合は期首のinventoryを考慮しません。これは、FIFOの場合は期首のinventoryから売れていくと仮定しているので、期末には確実に残っていないだろうとの予測から期首分は計算に含めないことにしているのです。逆にAverageの場合は、全てのinventoryの金額を平均する必要があるので、期首にあったinventoryの考慮する必要があるのです。

■原価率:Cost / Retail Ratioの計算種類まとめ

合計4つの方法を見てきましたが、ここでまとめておきたいと思います。

・Average Cost(平均法による原価法)
こちらは、値下額を含め、更にBeginning inventory(期首棚卸資産)も考慮する方法となっています。

・FIFO Cost(先入先出法による原価法)
こちらは値下額を含めますが、Beginning inventory(期首棚卸資産)は考慮しない方法となっています。

・Average LCM(平均法による低価法)
こちらは値下額を含めず、Beginning inventory(期首棚卸資産)を考慮する方法となっています。別称が存在し、Conventional Retail Methodとも呼ばれます。何故か試験ではこちらの呼び方も普通に使用されるので、覚えたほうがよいです。

・FIFO LCM(先入先出法による低価法)
こちらは値下額を含めず、更にBeginning inventory(期首棚卸資産)も考慮しない方法となっています。

以上、Inventory(棚卸資産)に関するRetail methodの概要と種類をみてきました。次回は、Retail methodを使用して、実際にどのような計算を行なうのかをそれぞれの計算方法で見ていきたいと思います。

次の記事:棚卸資産その6

ではでは

posted by 鈴木明 at 07:53 | [USCPA講義] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月11日

USCPA講義:棚卸資産4

資産その5:Inventory(棚卸資産)4

今回は資産科目であるInventory(棚卸資産)について書いていきたいと思います。

Asset = Liability + EquityのAssetの項目になります。

前回はInventoryのvaluation methodを4つみてきました。今回は、Inventoryに関するLCM(Lower of cost or market,低価法)について見ていきたいと思います。

■LCM(Lower of cost or market,低価法)とは

LCMとは、Inventory(棚卸資産)の評価方法のことで、英語をみれば少し想像出来ると思いますが、CostかMarketかの低い方を選ぶというものです。文章で見れば分かりにくいので、実際の手順を見ていくことにします。ただその前に、まずはそれぞれの単語の意味を理解しないと問題の主旨が理解できないので、以下で説明します。

<LCM用語>

Cost:前回説明した4つの方法で算出された原価のことです。試験では金額を与えられます。

Market:時価のことです。試験ではこちらを数ある金額から決定する必要があります。

CostのことをOriginal Costといいます。略してOCです。Historical Costとも呼ばれます。

Marketは下記3つの中から選択します(後ほど説明します)。

Net Realizable Value
Replacement Cost
Net Realizable Value – Normal Profit

の3つです。略してNRV、RC、NRV-NPとなります。これに先ほどのOCを加えて、合計4つの単語が登場します。

USCPAの試験ではLCMの問題の場合、Costの金額やMarketの金額算出に必要な情報はほとんど与えられます。与えられない問題を僕は見たことがありません。そこで、以下の手順を踏むことになります。

■LCMの手順

@Marketの3つの金額を比較します。
A3つの中から真ん中の金額を選択します。
B真ん中の金額とOCを比較します。
C真ん中の金額とOCの低い方の金額を使用します。
Dその低い方の金額がInventoryの評価額となります。

上記のステップを説明すると、@とAでMarketの金額を決定して、BとCでCostとMarketの低い方の金額を計算しているのです。この一連の流れがLCM(Lower of cost or market,低価法)となります。

■LCMの実際の流れ

上記の流れを実際に行なうと以下のようになります。問題分では、以下のような情報が与えられます。

Original Cost 15ドル
Selling price 20ドル
Selling cost 2ドル
Normal profit 6ドル
Replacement Cost 14ドル

早速上記の手順通りすすめていきましょう。まずはMarketの3つの数字を比較します。

この時点で、あれ?NRVは?と思うかもしれません。実はNRVはSelling priceからSelling costをマイナスした金額になります。試験ではいちいちこのような情報を与えて混乱させてきます。面倒くさいですね。つまりNPVは

20 – 2 = 18ドル

となります。次にNRV – NPを求めるのですが、NPV – NPはNPVからNormal Profitを引いた金額になります。そのため

18 – 6 = 12ドル

となります。Replacement Costは14ドルと与えられていました。ここで注意ですが、RCの場合も、「今同じ商品を購入したら○○ドルになる」という表現のみ記載されることがありますが、それがRCです。問題文より探し出しましょう。

これらの計算を行った時点で、3つの金額が判明します。そこで、大きい金額の順番に並べます。

NRV: 18ドル
RC: 14ドル
NRV-NP: 12ドル

この中から、真ん中の金額を選択します。この時点で「Market」の金額はRCの14ドルということが決定するのです。この決定したRCとCostであるOriginal Costと比較します。

RC: 14ドル
OC: 15ドル

となります。RCの方がOCと比べて金額が低いので、このInventoryは14ドルまで価値を切り下げることになります。これがLCMの手順です。結構面倒くさそうですが、試験では同じような情報を与えてくれるので、慣れれば全然問題ないと思います。

以上、Inventory(棚卸資産)に関するLCM(Lower of cost or market)を見てきました。次回は、これまでとは別の評価方法であるRetail method(売価還元法)をみていきたいと思います。

次の記事:棚卸資産その5

ではでは

posted by 鈴木明 at 11:25 | [USCPA講義] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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