2014年05月09日

USCPA講義:棚卸資産3

資産その5:Inventory(棚卸資産)3

今回は資産科目であるInventory(棚卸資産)について書いていきたいと思います。

Asset = Liability + EquityのAssetの項目になります。

前回はInventoryに料金がどこまで含まれるかと、2種類ある測定方法をみてきました。今回は、inventoryに関するvaluation method(評価方法)について見ていきたいと思います。

■Inventory valuation methods(棚卸資産評価方法)

Inventory(棚卸資産)を購入する際に、日によって価格が違うということは実務では普通に発生します。そのため、どのように金額を決定するのかが非常に重要となってきます。なぜなら、Ending inventoryの金額はそのままCost of goods soldに影響するため、Inventoryの評価方法が最終的な利益まで影響を与えるからです。更に、Inventory valuation methodは一度決定すると原則として継続的に適用し続けなければならないため、毎年の状況を見て方法を変更するといったことは不可能なのです。

Inventory(棚卸資産)の評価金額は、商品の個数に単価をかけることによって求めることが出来ます。ただ、1年に何度も購入と販売を繰り返すため、「当社としてはこの方法で評価する」という方針を決めなければなりません。その方法が4つ存在しています。

  • Specific identification(個別法)
  • FIFO(First-in, First-out,先入先出法)
  • LIFO(Last-in, First-out,後入先出法)
  • Weighted Average(加重平均法)

この4つになります。これから、それぞれの評価方法について説明していきます。

@Specific identification(個別法)

Specific identification(個別法)とは、英語を見れば何となく想像がつくかと思いますが、Inventoryの原価をひとつひとつ個別に記録していく方法です。販売時にはどのinventoryがいくらで販売されたかわかるので、その場で売上原価を知ることができます。この方法は、単価が非常に高く、販売回数が少ない業種に向いていると言えます。例えば1つ数億円くらいするような宝石を販売している宝石店などは、この評価方法を使用しても合理的かもしれません。

AFIFO(First-in, First-out,先入先出法)

この方法も英語や日本語を見れば察しがつくかもしれません。FirstにinしたものがFirstにoutするのです。つまり、最初に購入したInventory(棚卸資産)から最初に販売されるということにしておくのです。この「しておく」というのが実は結構重要で、会社としてFIFOでいくと決めたら、実際はそうなっていなくてもそのように計算し続けるということができるのです。

こちらの方法では、期末のInventory(棚卸資産)の残高は実態と近いものになります。なぜなら購入した古いものから販売されていることになるので、最新の物が在庫として残ることになるからです。ただ、物価が上昇しつつある局面(インフレ時)でこのFIFOを採用していると、売上原価が現実と乖離しやすくなります。

BLIFO(Last-in, First-out,後入先出法)

こちらも見れば察しがつく方法ですね。LastにinしたものがFirstにoutします。つまり、最後に仕入れたInventory(棚卸資産)から最初に販売されるということにしておくのです。こちらの方法は常に最新の金額にて販売されることになるので、売上原価は実態に近い金額になります。ただ、期末のInventory(棚卸資産)は現実と乖離することもあります。古い在庫が残り続けるので、仕方がないとは思いますが。こちらの方法はIFRSなどでは禁止されています。

CWeighted Average(加重平均法)

こちらも名称通りですね。というか4つの方法全部名称通りでした(笑)。この方法はBeginning inventoryにPurchase分を全て足したものの平均単価を算出して、その単価をEnding inventoryの個数にかけて金額を算出します。

計算式としては

Beginning inventory(金額) + Purchase(金額)

Beginning inventory(個数)+Purchase(個数)

で割り、Average unit cost(総平均の単価)を計算します。

そのあとに、Average unit costをEnding inventoryの個数に掛けて金額を計算します。こちらの方法はPeriodic inventory systemにて採用される際はweighted averageと呼ばれますが、取引の度に平均を計算するPerpetual inventory systemの際はMoving average(移動平均)と呼ばれます。

以上、Inventory(棚卸資産)に関する評価方法を見てきました。次回は、LCM(Lower of cost or market)を見ていきたいと思います。

次の記事:棚卸資産その4

ではでは

posted by 鈴木明 at 07:36 | [USCPA講義] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月07日

USCPA講義:棚卸資産2

資産その5:Inventory(棚卸資産)2

今回は資産科目であるInventory(棚卸資産)について書いていきたいと思います。

Asset = Liability + EquityのAssetの項目になります。

前回はInventoryの内容説明と、どこまでをInventoryに含めるかという話をしました。今回は、Inventoryに関する料金をどこまで含めるかということと、Inventoryの測定方法について書いていきます。

■Inventory(棚卸資産)の金額

まず、Inventory(棚卸資産)を2種類に分けて説明します。商品売買として仕入れたInventory(棚卸資産)と、製造業として工場で作成したInventory(棚卸資産)です。

・仕入れたInventory(棚卸資産)

この場合、仕入れ価格だけではなく、商品として売り出せるようになるまでに必要だった様々な費用も含める必要があります。例えば、商品を仕入れる際にかかった運賃、倉庫の費用、商品にかけられた保険料などです。これらを全て含めてInventory(棚卸資産)の金額とします。

注意点として、これらは商品の取得に関してかかる費用であり、商品として販売するときにかかる費用のことではありません。紛らわしい名前ですがFreight-inは仕入れ時の費用なのでInventory(棚卸資産)に含まれて、Freight-outは商品発送時の費用なのでSelling expense(販売費)となりInventory(棚卸資産)には含まれません。僕も昔は何回か騙されました。

・製造したInventory(棚卸資産)

製造するInventoryに関しては、管理会計の分野なので、BECの方を勉強する必要があるのですが、そちらにまでブログ分野を広げられるのはいつになるか分からないので簡単に書いておきます。こちらにはDirect materials(直接材料費)、Direct labor(直接人件費)、そして Manufacturing overhead(製造間接費)が含まれます。それらの金額を全て合算したものが、Finished goodsとしてInventoryの金額になる、というのが基本的な流れになります。

ただ、やはりFARは財務会計なので、メイントピックになるのはこちらではなく、上記の仕入れによるInventory(棚卸資産)となります。では、Inventory(棚卸資産)に含まれる料金の説明はこのあたりにしておき、次はInventory(棚卸資産)の測定方法を見ていきます。

■Inventory(棚卸資産)の測定方法

Inventory(棚卸資産)の測定方法ですが、2つ存在します。Perpetual inventory system(継続記録法)とPeriodic inventory system(棚卸計算法)です。どちらにも一長一短あるのですが、USCPAではほとんど1つの方法しか出題されません。僕のイメージですが、現実の社会でも使用されているのはほとんど1つでは無いかという印象です。それはPeriodic inventory systemです。ですが、まずはPerpetual inventory system(継続記録法)から見ていきます。

@Perpetual inventory system(継続記録法)

余談ですが、僕が留学中に財務会計1を受講していたときに、こちらの方法が先にテキストに出てきたので、必死こいて勉強して、完璧に理解したと思ったら実は重要度が低く、後に説明するPeriodicの方が学習のメインになってしまい、なんとも切ない気持ちになったことがあります(笑)。当時は英語力もそこまで無く、会計知識も0だったので非常に遠回りをしていました。今となっては懐かしいですね。皆さんはこちらの方法はサクッと理解すればOKだと思います。では早速仕訳で見ていきたいと思います。

こちらの方法は、仕入れた時にInventoryとして計上して、その商品を売り上げたときにCost of goods sold(売上原価、これからはCOGSと略します)を計上する方法です。この方法のメリットは常にInventoryを追いかけている、つまり継続記録しているので、正確な数字が分かるということです。期中にも販売量と未販売量がわかるのです。では早速仕訳で見ていきます。

・商品を現金で100ドルで仕入れた
Dr Inventory 100
Cr Cash 100

・上記の商品を150ドルで販売した
Dr Accounts receivable 150
Cr Sales 150

Dr Cost of goods sold 100
Cr Inventory 100

上記の仕訳を見て頂ければ分かると思いますが、販売した際にInventoryを減少させて、対比するようにCOGSを計上しています。このように継続して記録していくため、Perpetual inventory systemは継続記録法と呼ばれています。直球ですね。ですが、この方法は1日にたくさん仕入れてたくさん販売する企業には向いていません。特にスーパーやコンビニなどがこの方法を使用すると大変なことになりますね。ペットボトルの水を1本仕入れてInventory、それが売れたからCOGS、とやっていると1日の取引を〆るだめでも大変な労力が必要となります。やはりこの方法は、ゼロからカスタムオーダーでオリジナルの車を作成してくれるような会社が使う測定方法なのかな、という気もします。

そこで、その継続記録が煩わしいと考えだされたのが、USCPA学習においてメインとなるPeriodic inventory system(棚卸計算法)となります。では、早速みていきます。

APeriodic inventory system(棚卸計算法)

こちらの方法は、仕入れ時にInventoryを計上せずに、Purchase(仕入)という費用を計上していきます。商品が売れたときには特にInventoryに関しては行なうことはなく、期末に一括で売上原価を測定します。期末に実地棚卸を行い、期末のInventory(棚卸資産)の金額を測定して、下記の計算式にあてはめるのです。

Beginning inventory+Purchase−Ending inventory = COGS

となります。日本語でいうと
機種棚卸資産+仕入−期末棚卸資産=売上原価です。

Perpetual inventory systemと同じ取引があったとして、下記のような仕訳になります。

・商品を現金で100ドルで仕入れた
Dr Purchase 100
Cr Cash 100

・上記の商品を150ドルで販売した
Dr Accounts receivable 150
Cr Sales 150

これにて終了です。ではどうやってCOGSを計算するかというと、これらの取引が行われた年が企業として取引開始の年だとすると期末に計算が行なわれます。

B:0
P:100
E:△0
C:100

となり、COGSが100になるのがわかると思います。ちなみに上のイニシャルは僕が勉強しているときに常に使用していた物です。BはBeginning inventory、PがPurchase、EがEnding inventoryでCがCost of goods soldです。勉強するときは上記のように英語のイニシャルのみ記載すると時間が短縮できておすすめです。

この2つの方法ですが、USCPAの試験では基本的にPeriodic inventory systemが出題されると考えておけば問題有りません。ただ、万が一のためにPerpetual inventory systemを知っておいても損はないと思います。

以上、Inventory(棚卸資産)に関する料金をどこまで含めるかということと、2つある測定方法を見てきました。次回は、Inventoryの評価方法(測定方法ではなく)を見ていきたいと思います。

次の記事:棚卸資産その3

ではでは

posted by 鈴木明 at 08:08 | [USCPA講義] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月06日

USCPA講義:棚卸資産1

資産その5:Inventory(棚卸資産)1

前回は有価証券についてみてきました。

前回の記事:有価証券その3

今回は資産科目であるInventory(棚卸資産)について書いていきたいと思います。

Asset = Liability + EquityのAssetの項目になります。

■Inventory(棚卸資産)とは

Inventory(棚卸資産)とは、簡単に言ってしまうと企業にある在庫のことです。細かくいうと、販売する目的で仕入れた商品や、生産した製品のことで、まだ売れずに残っているものを言います。自動車会社なら自動車、食品会社なら食品、といったところでしょうか。

Inventory(棚卸資産)の測定には2つの問題があります。1つめは実際に存在する量を決定すること、2つめはその単価を決定することです。期末在庫の金額によって売上原価が変化し、利益に直結するので非常に重要な分野となります。それだけに出題範囲が広くなっていますが、USCPAの試験はそこまで奇をてらった問題は出ないので、重要箇所をストレートに抑えていけば大丈夫だと思います。

■Inventory(棚卸資産)の範囲

では具体的なInventory(棚卸資産)の内容に入っていきたいのですが、まずはルールとしてどの範囲まで企業がInventory(棚卸資産)に含めるかを見ていきます。例えば、商品を発送する際に、どこの状態までいけばInventory(棚卸資産)なのか、もしくはInventoryでなくなるのかということです。相手の手元に届いた時か、船に積んだ時か、という話です。また、商品販売を委託する際はどうするのか、また委託されている商品はどうなのかということも含みます。

そのinventoryの範囲を確定するうえで重要になるのがF.O.Bというルールです。F.O.B destinationとF.O.B shipping pointがありますが、まずはF.O.Bがどういったものかを説明します。

<F.O.Bとは>

F.O.BとはFree on boardのことです。僕はややこしいことが苦手なので、ざっくりと「F.O.Bの後ろにある単語の側が料金も責任もfree」と考えていました。つまり、F.O.B destinationの場合はdestination、つまり到着地点側が料金も責任も負わない、逆にF.O.B shipping pointの場合はshipping point、つまり発送地点側が料金も責任も負わないと考えていました。後は、自分が発送側なのか到着地点側なのかを考慮するだけで大丈夫でした。これを踏まえてinventoryの範囲をどのように決定していくかをみていきます。

・Vendorから商品を購入している場合

こちらが買い手側の話ですね。つまり、こちら側がdestination(到着地点)となります。ちなみに僕のUSCPA勉強当初の悩みはVendorって何だろうと言うことでした。レベルの低い悩みですね。Vendorとは「売り手」を意味して、製品の供給業者のことを指すらしいです。つまり商品を売ってくれる相手先ということですね。ここで重要になってくるのはF.O.B destinationかF.O.B shipping pointかと言うことです。

@F.O.B destinationの場合
購入した商品がreceived、つまり手元にくるまではInventory(棚卸資産)として計上することはできません。

AF.O.B shipping pointの場合
商品がvendorのもとからshipped、つまり発送された時点でこちら側、つまり購入者のInventory(棚卸資産)となります。

・Customer(消費者)に売った場合

こちらが売り手側の話ですね。つまり、こちら側がshipping point(発送地点)となります。ここでも重要となるのはF.O.Bがどちらかということです。

@F.O.B destinationの場合
Inventoryは相手側にreceived、つまり受け取られるまではこちら側のものとなります。発送した時点ではInventoryはまだこちら側ということです。

AF.O.B shipping pointの場合
Inventoryは発送した時点で相手側のものになります。つまり、発送した時点でそのinventoryはinventory勘定から除かなければなりません。

このように、「F.O.Bの後ろにある単語の側が料金も責任もfree」であり、自分が発送する側か購入する側かどちら側かを考えれば分かりやすいと思います。

・Goods on Consignment(委託商品)

商品の販売を委託する際の処理です。ブランド企業(メーカー)が百貨店に販売を委託するイメージでしょうか。委託する側をConsignorといい、委託される側をConsigneeと言います。ただ、USCPA試験のInventory関係で重要となるのは試験問題にどのように書かれているかだと思います。以下、説明していきます。

Goods out on consignmentは委託している商品であり、Inventoryに含める必要があります。なぜならまだ商品はConsignee(委託先)にあるだけで、最終顧客に売れた訳ではないですからです。逆に、Goods held on consignmentは委託されている商品のことであり、Inventoryに含めてはいけません。ただ商品販売を他者から委託されているだけなので、自社の在庫とは違うからです。

以上でInventory(棚卸資産)と含める範囲の説明を終わります。次回はInventoryにどこまでの料金を含めるのか、Inventoryの測定方法を見て行きたいと思います。

次の記事:棚卸資産その2

ではでは

posted by 鈴木明 at 11:53 | [USCPA講義] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。